1. 「公募割れ」という現象
1章では IPO の魅力をお伝えしました。ただ、IPO は全部が当たって全部が上がる 投資ではありません。続けていく中で必ず出会う「外れ」のパターンを、先に 押さえておきましょう。
IPO で一番がっかりするのが、いわゆる 公募割れです。上場日に株価が公募価格を下回って取引が始まってしまう現象を 指します。たとえば100株10万円で当選したのに、上場日にいきなり9万円スタート、 というようなことが起こります。
「上がるはずだ」と思って当選を喜んだ直後にこうなると、なかなかつらいです。 ただ、年によって公募割れの発生率はかなり違います。市場全体の調子が良いときは 少なく、悪いときは増えます。
経験者は「公募割れしそうな銘柄」を事前に予想している
全銘柄を盲目的に申し込むのではなく、事前に「これは危なそう」と 当たりをつけて、リスクの高い銘柄は見送るという付き合い方が、 継続している投資家のあいだではよく語られます。
判断の手がかりとしてよく挙げられるのは「吸収金額(調達総額)が大きい」「主幹事が大手のみ」「業種に新規性が薄い」 「同時期に上場が集中している」といった条件。 IPOらぼの銘柄詳細では、これらの指標を一覧で見られるようにしています。
2. 当選の壁
もう一つの現実が、人気銘柄ほど当選率が低いことです。注目度の高い IPO は倍率100倍を超えることもあると言われて います。100回申し込んで1回当たるかどうか、という世界です。
なので IPO は「数を打って、たまに当たるのを待つ」という付き合い方になります。 1回や2回外れたからといってがっかりしないこと。むしろそれが普通です。
……と聞くと、ここで諦めたくなる方もいらっしゃるかもしれません。ですが 安心してください。この低い当選率は、 工夫次第でしっかり引き上げられます。実際、IPOで成果を出している方々は、運だけに頼っているわけではありません。 口座の選び方・組み合わせ方、申込のやり方、応募する銘柄の絞り込み方など、 意識して整えるだけで当選確率は大きく変わってきます。
・3章「準備」:IPO常連が組んでいる 「メイン1社+サブ2〜3社」の口座構成と、各社の抽選方式の使い分け方。
・4章「申込から売却までの流れ」:BB申込価格の決め方、 申込本数の考え方、抽選方式ごとの戦い方。当選確率を直接押し上げる動き方を解説します。
・5章「ここから先」:継続するための習慣化のコツ。 IPOは数ヶ月単位で続けるほど当選率が積み上がる投資なので、続けることそのものが いちばんの「当選率アップ施策」になります。
3. 資金拘束に注意
地味だけれど大事なのが 資金拘束の話 です。多くの証券会社では、IPOに申し込んだ瞬間に申込相当の金額が拘束され、 抽選結果が出るまで自由に使えなくなります。
たとえば10万円のIPOに申し込んでいる間は、その10万円は他の用途に使えません。 複数のIPOに同時に申し込みたい場合は、その分の資金を口座に入れておく必要が あります。
ちなみに松井証券のように 前受金不要(申込時にお金を入れなくてよく、当選してから入金する)方式を取って いる会社もあるので、ここは口座選びの大事なポイントになります。詳しくは次の章で。
4. それでも挑む価値
外れもある、当選も難しい、資金も拘束される。ここまで読んで「やっぱりやめて おこうかな」と思った方もいるかもしれません。
ただ、IPO には他の投資にはない大きな利点があります。申込み自体は完全無料で、外れても1円も損をしません。 イメージとしてはコンビニや街頭のスピードくじに近く、 手間も費用もほぼゼロで「もし当たれば数万〜数十万円」という構造です。 平均すれば期待値はプラスで、10回挑戦して2〜3回当たれば、トータルではプラスになる ことが多い。長期的に付き合う投資だと考えると、向いている方は多くいらっしゃいます。
公募割れした銘柄や年別の勝率推移は、IPOらぼのランキングページで確認できます。気になったらいつでもチェックしてください。
外れても凹まないこと —— これがいちばんの勝ち筋
IPOで成果を出している方に共通しているのは、「落選を当たり前のこととして受け入れている」姿勢です。 毎月応募して数ヶ月当たらない、というのはむしろ普通の状態。 ここで気持ちが折れて止めてしまうと、当選のチャンスもゼロになってしまいます。
経験者のあいだでよく言われるのは「IPOは年単位で続けてこそ勝てる投資」という考え方。 申込み自体は手間も費用もほぼゼロなので、習慣として淡々と続けることが いちばんのコツとされています。